積読書店員のつくりかた

とある書店員が気ままに書く、本と本屋さんとそれをつなぐ人々についてのつぶやき。書店と読書とイベントな日々、ときどき趣味。

本屋の書籍ジャンル担当者は、何をしているのか~理工書を例にした書店員の業務内容~



いまのお店にやって来て、そして理工書担当者として、はや数か月ほどが過ぎようとしております。

今回は、理工書を例にした書店員の「業務内容」、『本屋の各書籍ジャンル担当者がどのような仕事をしているのか』を明文化すると同時に、自分自身の記録として後日振り返ろうとする目的の記事となっております。

主に業界クラスタの皆さま向けの記事ではありますが、普段本屋をご利用される方に向けて「本屋の棚がどのようにつくられているのか」を公開すると共に、ご覧いただくことで「近くのお店に行ってみよう!眺めてみよう!」と思っていただく契機となれば、と願う記事でもあります。


yoshinoさんの言うところの「つまんねー棚」かもしれませんが、私の時間と愛情と願いを込めて耕している最中の棚。「面白い棚」への道のりは長く険しいものだと自覚しておりますが、一人でも多くの方の役に立てることを祈って、黙々と棚を耕しております。

絶対にすべての愛を降り注いだ棚にしてやる! そう意気込む、私ふぃぶりおなのであります!! (そして積読行為への格好の言い訳w)

f:id:fiblio:20150808215911j:plain*1

記事を書く意図

まずは、この記事を書く背景をお伝えしなければなりません。

 

タグ「書店」を検索 - はてなブックマーク

はてブの上記タグを頻繁にタグ打ちする人間として、意外に「棚担当者としてのお仕事ぶり」がネット記事には多くないことが記事を書く動機のひとつです。

具体的なお話を書店員が語っていることは、インタビュー「連載企画「書店員の仕事」」「頼りになる書店員さん」という連載もあります。他には、版元さんによる所感を交えた記事も以下のような3つがあります。

売れる書店はこうだ~本という商品の考え方:学芸出版社 営業部 藤原潤也

ベレベレ通信バックナンバー|書店様向け情報|ベレ出版

LIXIL|企業情報|文化活動|LIXIL出版|書店訪問 LIXIL出版の取り扱い書店をご案内します。

また当ブログ『書店員のリアル』記事でも参考にさせていただいた、

もございます。そして今お話した当ブログ記事の『書店員のリアル』で触れた、4(そして付随する5)をより詳しくお伝えするための内容がご覧いただいている本記事となっております。

  1. レジでの販売
  2. 店頭でのお問い合わせ対応
  3. 入荷した商品(書籍や雑誌、コミックetc)の開梱、検品、準備(雑誌の付録づけ、コミックのシュリンクetc)
  4. (上記3で準備した)商品の新刊・補充品のお店だし、それに伴う返品
  5. (おまけ)時間外ほにゃらら(POPづくり、情報収集などなど)

棚を作る上での参考材料!?

一般に公開されているマニュアル類としては、特に下記2点が参考になることと思います。

人文書販売の手引き | 人文会コンテンツのカテゴリー |

【棚分類コード/増売マニュアル】ダウンロードデータ-コンピューター出版販売研究機構

ただ、あくまでマニュアルはマニュアルであって、参考にしつつも、自分がどのように思考して、試行して、棚を作るかの土台の一部でしかないことを肝に銘じておかなければならない。マニュアルに沿っただけの棚は、それこそ「金太郎飴」書店とも言われる*2

棚づくりの方向性を、おぼろげながらも描いていくことが大事なのではないかと思っている。

記事を読むうえでのお願いと注意事項

特に書店員の先輩方におかれましては、「なにか気になるところ」があればご指摘(ご叱責?笑)いただきたいと思いますし、同年代の方には「どういう意図なのか」というご質問なども大歓迎いたします。あくまでツッコミ材料としての記事ですので。

ちなみに、棚の種類(内容)や客層については一部フェイクを含む部分もございますのであしからずご了承ください。

基本的にリアルな考えと行動はそのままに、ひよっこ理工担当の思考と業務内容をお伝えしたいと思います。

ジャンル棚担当者のお仕事とは

とある方は、「本屋は場所貸し業に成り下がっている」といった。つまりは、返品可能な『書籍』という商材にあぐらをかいて、勝手気ままに販売して、売れなければ取次(出版社)に返せばいいというメンタリティを喝破していた。

ただ、実質的には本屋の棚担当者の仕事は、「入荷した商品を出す」と同時に「(売れ行き不振アイテムを軸に)店頭在庫を返品する」ことが、主要業務のひとつである。

 書店では日々入荷する本を展示して販売する。入荷する本というのは、あらかじめ発注しておいたもの、パターンで配本されたもの、そして店頭で売れたものの補充などがある。前の二つは大方が新刊で、この展示場所ははじめからない。したがって新刊台のほかの書籍をはずして置くよりない。なにをはずすかが問題だ。それと同時に関連の書棚にも差し込まなければならない。ここでも棚がもともと余っているわけではないので、何かをはずして入れなければならない。これらの選定がなかなか面倒ではかどらない。

(中略)

 よく売れる本というのはどの書店員でも大体わかっている。後はそれを切らさないように補充する手腕と力量を持っているかにかかっている。問題は先に挙げたような返品対象品目に対してどのように対応するかだ。そのことは結局なにをどの程度注文するかという問題にも通じてくることになる。つまり、新刊で売れる本の見分けをどのようにしてつけるのかということである。(赤字は筆者による)

40周年記念連載 書店の店頭から8 書店員の目利き 佐野衛さん(東京堂書店本店/東京都千代田区)

棚担当者として行ったこと

担当として、まず行ったこと。

  1. 定番書・ロングセラー(売れ行き堅調タイトル)の欠本をチェックする
  2. 新刊タイトルの情報収集(可能であれば事前の指定注文)、発注(入荷日にある程度動きを予測*3して手配)
  3. 直近売れ筋商品のデータ確認、不足アイテムの発注
  4. パブリシティなり、新聞書評なりの問い合わせ予見のあるタイトルの事前情報把握
  5. 不振在庫の選定、ストックの整理、汚損品の交換、そして返品(そして専門書特有の、気の遠くなる返品了解作業w*4

棚を作る上での前提としての「情報」獲得

ここで、ポイントとして挙げるのは「情報」です。

それは売上好調なタイトルに関する「情報」の場合もあれば、店舗の立地に合わせた来店客層に関する「情報」という意味合いもすべて含まれます。 

  1. チェーンの売上データ活用(随時)・・・全店や同規模店(仮想ライバル)の売上・在庫情報、ジャンルの動向など
  2. 地域一番店の調査(週1回)・・・棚構成(特に注力しているジャンル)や平積み面陳アイテム
  3. 地元図書館の(隔週見安)
  4. 潜在市場の選定(季節に合わせて。担当開始時は重点的に)・・・セグメント(客層)に合わせた課題設定(棚構成)への判断材料

 1・2は前任者等からの引き継ぎや教育もあると思いますし*5、は見たままの内容なのでここでは3と4を紹介したい。4についてはその意図を引用文を基にご説明しよう。なお、4については構成と共に後述します。

もちろん書店にもフェア棚はあるが、図書館の強みは、新旧の幅があるところ。絶版になってない本しかそろえられない書店は、むしろ選択の幅が限られている。真の意味の「ベストセラー」といえる貸出履歴に沿った棚作りは、書店員さんは盗むところが沢山ありそう。

本が本を呼び、本が棚を呼び、棚が書店をつくる『書店の棚 本の気配』: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる

図書館は地元に根付いた企画やイベントをしている場合が多く、売り上げを奪う「対立軸」としてではなく、予約上位タイトルにはどのような作家やジャンルが並んでいるか等は大いに参考にすべきだ思っています(今週話題になっている某図書館がどうかの論評は控えますが……)。

「立地特性」に合わせた展開の重要性

これまで店舗管理者としても、ビジネス書担当としても、マーケティングを重要視してきました。

その上で、

コミックで言えば、少年のエンタメ系や青年のサブカル系、少女の、レディコミ類やBL系。文庫で言えば三笠、PHP、中経あたりの雑学文庫、岩波、ちくま学芸など比較的固めなレーベル。その構成比をどこに重点をおくかの判断材料のひとつは、立地や客層によるところが少なくありません。

少女コミックから見た客層

もう少し具体的なタイトル名を挙げて紹介すれば、地方部の郊外商業施設にインショップしているファミリー客層訴求のお店では、ファミリージュニアである少女向けの幼年誌が爆発的に売れる。

売上順そのままに『ちゃお 2015年 09月号 [雑誌]』、『りぼん 2015年 09 月号 [雑誌]*6、『なかよし 2015年 09 月号 [雑誌]』。

そのちゃおコミックスでの『12歳。(1) (ちゃおコミックス)』あたりがひとつの指標。

語学書から見た客層

就職・語学書ジャンルにおいては、大学生をメイン客層に含むお店の場合、坪数が少なくとも新年度前後にはTOEICだけではなく、TOEFLの定番書『【CD3枚付】TOEFLテスト英単語3800 4訂版 (TOEFL(R)大戦略)』や『【CD付】はじめてのTOEFLテスト完全対策 改訂版 (TOEFL(R)大戦略)』あたりまで手を広げて平積みしておきたい。

チェーンの平均的面積、売り上げの店舗であっても、アイテムたちを欠品させず、大学入試シーズンあたりから絶えず平積みで展開し続けた。その結果、系列店一番の売り上げを取ることができた。

(小休止コラム2記事)

長文になってきたのでよろしければ当ブログ関連記事を【休憩のためのコラム】としてどうぞ。

わが担当棚における方針

商品構成においては、ライトな客層への訴求という点を重点的に考慮しています。

安価なものを平台に混ぜてみて動向を注視しつつ、学術的なものは元棚で、話題書や注目新刊は新刊台一等地でという住み分け。

その中で、とある地方部のお店として、とくに具体的に下記6層をイメージしています。

ターゲット
1)一般客層(店舗の主要性別・年齢の客層を中心に)
2)知的好奇心の高い一般客層(40~50代)
3)理系研究者・学生(20~30代大学院・10代高専)
4)農業関係者、農家etc(30~60代)
5)設計事務所・住宅展示場関係者(30~50代)
6)理工系資格受験者・実務者(20~50代)

これらターゲットに基づいて個別のジャンルをどのように攻略していこうと考えたのか。まずは自店への来客が期待されるターゲット層に関する情報を集めます。

例えば、学生向けであれば、大学に立地する生協や近隣書店の偵察。農業であれば、自治体やJAのサイトチェック。図書館での統計数字チェック、司書さんと相談することもおすすめ。 

資格書は特に、受験受付期間と受験者数に応じて展開アイテムを組み合わせていくことがポイント(ただこれは…新しいジャンルでもあり、私も勉強・模索中です)。

以下箇条書きですが、各ターゲット層に合わせてそれぞれのジャンルをどのように思考して、試行しているかを列挙していきます。

それぞれの棚ジャンルで気をつけた構成ポイント

理学書ジャンルの構成

「数学」

読みのもの系充実→「面白くて眠れなくなる」シリーズ(PHP研究所)は必須、他に「発見的教授法による数学シリーズ」、『東大の入試問題で「数学的センス」が身につく』、『東大入試問題で数学的思考を磨く本』、『数学難問BEST100』、『数的センスを磨く超速算術』など

専門系(導入分類)の欠品阻止→『掟破りの数学 ―手強い問題の解き方教えます―』、『新・数学の学び方』、『東大教授が語る、東大新入生のための数学ブックガイド』、『プロの数学 ―大学数学への入門コース』、「やさしく学べる」シリーズ(共立出版)、「大学生の弱点克服」シリーズ(東京図書)、「基礎数学」シリーズ(東京大学出版会)、「○○がわかる (ファーストブック) 」シリーズ(技術評論社)、統計検定関連タイトルなど

統計学分類の導入(経済学棚との併売)→『はじめての統計学』、『マンガでわかる統計学』、『統計学入門 (基礎統計学)』、『完全独習 統計学入門』など

好調品確保と訴求→『数学の言葉で世界を見たら 父から娘に贈る数学』、『どんな数にも物語がある 驚きと発見の数学』、『数学ガールの秘密ノート/微分を追いかけて

「結城浩/数学ガール」分類追加→ターゲット(2)・(3)、10月刊行『数学ガールの秘密ノート/ベクトルの真実』が待ち遠しいですねっ!

「物理学」・「化学」

定番書抜け新規発注→ターゲット(3)

好調品の追加手配→『超ひも理論をパパに習ってみた 天才物理学者・浪速阪教授の70分講義 (KS科学一般書)』、『ペンギンが教えてくれた 物理のはなし (河出ブックス)

読み物系充実→量子論関連など

図鑑類の大々的な展開→『世界で一番美しい元素図鑑』、『元素生活(文庫版)』、『美しい元素 (学研の図鑑)

「天文学」・「地学」

客層のバランスととった硬軟構成→『宇宙が始まる前には何があったのか?』、『すごい宇宙講義』、『宇宙戦艦ヤマト2199でわかる天文学: イスカンダルへの航海で明かされる宇宙のしくみ』、『ワープする宇宙―5次元時空の謎を解く』、『宇宙を創るダークマター』など

宇宙・鉱物ジャンルの眺める系・読み物系充実→『宇宙の神秘―銀河系の秘密―DVD BOOK (ディスカバリーチャンネル BEST SELECTION)』、『ハッブル宇宙望遠鏡がみた美しすぎる宇宙DVD BOOK【DVD付き・160分・日本語字幕】 (宝島MOOK)』、『[asin:4800305691:title]』、『若田光一の絶景宇宙写真とソラからの便り』、『鉱物レシピ 結晶づくりと遊びかた』など

身近な地学の話題追加→『地震と火山 (パーフェクト図解)』、『』、『土地の「未来」は地形でわかる』、『日本の土: 地質学が明かす黒土と縄文文化』、「 (KS絵でわかる) 」シリーズ(講談社)など

気象学分類の充実→『日本の天気: その多様性とメカニズム』、『知識ゼロからの異常気象入門』など

「生物」

生物学関係定番書、読み物充実→ターゲット(3)、『ぼくの生物学講義―人間を知る手がかり』、『生物学の「ウソ」と「ホント」: 最新生物学88の謎』、『双子の遺伝子――「エピジェネティクス」が2人の運命を分ける』、『細胞の不思議 すべてはここからはじまる』、『NHKスペシャル 生命大躍進 (教養・文化シリーズ)』など

福岡伸一分類追加→新刊『変わらないために変わり続ける マンハッタンで見つけた科学と芸術』発売に合わせて、『動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか』シリーズなど関連書充実

趣味分類強化(笑)→『ネコ学入門: 猫言語・幼猫体験・尿スプレー』、『猫的感覚: 動物行動学が教えるネコの心理』、『動物が幸せを感じるとき―新しい動物行動学でわかるアニマル・マインド』、『』など

話題書訴求、追加手配→『岩波科学ライブラリー ハトはなぜ首を振って歩くのか』、『真夜中に猫は科学する エクレア教授の語る遺伝や免疫のふしぎ』、『きらめく甲虫』、『虫の虫 DVD付き特装版 ([テキスト])』、『きのこのき きになるきのこのきほんのほん』、『植物の体の中では何が起こっているのか (BERET SCIENCE)』、『植物が出現し、気候を変えた』、『理不尽な進化: 遺伝子と運のあいだ』、『二重螺旋 完全版』、『6度目の大絶滅』など

図鑑系配置→ターゲット(1)、『世界の美しい鳥』、『世界で一番美しい海のいきもの図鑑』、『深海生物大事典』、『世界一うつくしい昆虫図鑑』、『日本の昆虫1400 (1) チョウ・バッタ・セミ (ポケット図鑑)』シリーズ(文一総合出版)、「『イモムシハンドブック』ハンドブック」シリーズ(文一総合出版)など

「農業」

農家特定の品種を充実→ターゲット(4)、農文協の特定品種シリーズ

読み物系の構成増加→『農業女子』、『農業で成功する人 うまくいかない人――8つの秘訣で未経験者でも安定経営ができる』、『小さく始めて農業で利益を出し続ける7つのルール―家族農業を安定経営に変えたベンチャー百姓に学ぶ』、『小さくて強い農業をつくる (就職しないで生きるには21)』、「農業ビジネスマガジン」シリーズ(イカロス出版)など

話題書追加手配→『モンサント――世界の農業を支配する遺伝子組み換え企業』、『ファーマゲドン 安い肉の本当のコスト』、『』など

「科学全般」

研究者向け→ターゲット(3)

好調品確保→『意識はいつ生まれるのか――脳の謎に挑む統合情報理論』、『フューチャー・オブ・マインド―心の未来を科学する』、『2100年の科学ライフ』、『NEXT WORLD―未来を生きるためのハンドブック』、『』、「nature科学」シリーズ(実業之日本社)など

趣味ジャンル→竹内薫さん関連書『面白くて眠れなくなる素粒子』や上記nature科学」シリーズなど、成毛眞さん関連書『メガ! :巨大技術の現場へ、ゴー』や『国立科学博物館のひみつ』など

「ニセ科学・疑似科学」分類を追加→(はてな民としての完全なる趣味)

工学書ジャンルの構成

「建築」・「土木」

建築家関係充実→安藤忠雄関連安藤忠雄の建築 1 (1)』・『建築家 安藤忠雄など、隈研吾氏関連広場』など、中村好文氏関連『中村好文 普通の住宅、普通の別荘』など、伊礼智氏関連『伊礼智の「小さな家」70のレシピ (エクスナレッジムック)』など、藤村龍至関連『藤村龍至 プロトタイピング-模型とつぶやき (現代建築家コンセプト・シリーズVOL.19)』など、GA」関連シリーズ(ADAエディタトーキョー)、「PLOT」関連シリーズ(ADAエディタトーキョー)、「NA建築家」シリーズ(日経BP社)など

雑誌・ムック関係のバックナンバー、法令書追加手配、仕様書巻抜け、CAD系欠品チェック→ターゲット(5)、『建築法規PRO2015 図解建築申請法規マニュアル』、『基本建築関係法令集 告示編 平成27年版』、「日本建築学会仕様書」シリーズ( 日本建築学会:丸善)、『フラット35対応 木造住宅工事仕様書 平成26年版』など

資格書(建築士・建築施工関連)の主要タイトル欠品阻止→ターゲット(3)(5)(6)

読み物系と家づくりカタログ系の充実→ターゲット(1)、『住まいの解剖図鑑』、『「最高に心地のいい家」をつくる方法―家づくりの最強セオリーと最新テクニックを教えます (別冊PLUS1 LIVING)』、『建てる前に読む?家づくりの基礎知識』、『エアコンのいらない家』など

資格書(土木施工・造園関連)の主要タイトル欠品阻止→ターゲット(3)(6)

まちづくり→(完全なる趣味)

「機械」・「電気」

人工知能ジャンル充実*7→『人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの (角川EPUB選書)』、『東大准教授に教わる「人工知能って、そんなことまでできるんですか?」』、『人工知能 人類最悪にして最後の発明』、「(機械学習プロフェッショナル)」シリーズ(講談社)など

経営工学系絞り込み→QC検定、機械技能検定など

実務関連書(入門、実用問わず)の充実→ターゲット(6)、『よくわかる電気のしくみ (図解雑学)』、「○○が一番わかる (しくみ図解) 」シリーズ(技術評論社 )、「マンガでわかる○○」(オーム社 )、『テスターの使い方がよくわかる本』、『絵で見てわかるIoT/センサの仕組みと活用』など

趣味ジャンル好調品→『電子工作入門以前』、『作る・できる/基礎入門 電子工作の素』、『これ1冊でできる! Arduinoではじめる電子工作 超入門』など

各棚ジャンルでの「資格書」

(さきほど申し上げた)出店地域の客層を見極めること→ターゲット(6)

 

そして日々の売り場で心がけることに参考となるまとめ記事。 

(棚担当者記事のまとめ)

個人的に、本屋の棚への愛情は、「スリップ*8の飛び出し具合」を見ることである程度判断できると思っています。

それは、畑仕事に例えられる棚づくりにおいて、あくまで「雑草を抜く」という最低限のハードル。

そこから「種を植える」・・・棚の平積みや棚差しのタイトル選定。「つぼみをつける」・・・その並び、配置。最後に、「つぼみを育てる」・・・棚ざしの構成、文脈。

さらには「いつか花開くときに向けて花壇やプランターを彩る」・・・すべてのPOPや飾り付け。

日々の「水遣り」・・・商品の補充、元棚だけではなく、新刊台・フェア台の内容の検討、その更新頻度。そして「肥料を加える」・・・好調品の大胆かつ柔軟な手配。

これらすべてはコツコツと作り上げる、地道な畑仕事なのである。それは日の当たらない仕事かもしれない。

唯一仕事が報われるのは、「花や果実が結実する」・・・読者の手に届いたときだ。

本の並びが、めくるめく読書の世界のガイドラインになっている。並び替えれば、本はどんな風にも変化する。1冊の本を読むことも大事だけれど、隣りあう3冊を並べて見てほしい。

(中略)

気分によって、季節によって、自由に本を選び、読書につなげたら、本はおもしろくなる。きっと本屋に行くことも楽しくなると思う。

朝日新聞デジタル:松丸本舗の「文脈棚」監修・松岡正剛に聞く「書店のこれから」 - 文化トピックス - 文化

「本屋に行くことが『楽しい』」ような棚を目指して、果てしなく高い目標。これからも続くであろう書店員人生は、頂上の見えない高く険しい山登りだ。

今週まとめたTogetterを思い出しながら、その棚(畑)をどのように見られるかも今後継続して考えていきたい。

*1:本写真は、理工書棚のイメージ画像として、某書店様に好意で撮影をお許し頂いた売り場写真です。私が追い付けない素晴らしいフェアをお作りになられる方。

*2:私はそうは思わないが

*3:外れることもたまにある(苦笑)

*4:返品了解」・・・実質的には書籍は返品フリーな場合が多い商品です。ただし本来は返品できない商品(買切品など)について、出版社や取次の担当者にあらかじめ返品してOKという有難いお言葉や文書などを得ることを指す。)

*5:私は独学な部分も多いが……(涙)機会あれば別記事書く。

*6:ちなみに期待の新刊『りぼんの付録 全部カタログ ?少女漫画誌60年の歴史?』を個人的にとても楽しみにしている。

*7:PC書とどちらに展開するかは迷いどころ

*8:店頭の本に挟んである「あの紙」のことです。ネットで買った本によく“あの紙”が挟まってますが - Excite Bit コネタ(1/2)