積読書店員のつくりかた

とある書店員が気ままに書く、本と本屋さんとそれをつなぐ人々についてのつぶやき。書店と読書とイベントな日々、ときどき趣味。

2015-09-01から1ヶ月間の記事一覧

宮下奈都先生への、そして新刊『羊と鋼の森』とこれまでの作品たちへの愛をこめて

拝啓、宮下奈都さま『羊と鋼の森』「人生に影響を与えた1冊」1人の少年(そして青年へと)の歩みを丹念に、かつ表現豊かに掬い上げた成長記録。ピアノという音のする世界を、羊と鋼と森に譬える魔法は心にズシリと響く。私の心に小説として以上に響くカラフ…

書店員である私が本屋大賞に投票しなかった、たった1つの理由【本屋大賞への批判は……】

ある作家は言った、「書店員の思い上がり。本のソムリエ気取り」だと。また別の作家は言った、「一部書店員の勘違いで2万店あった書店は1万5千店に減った」と。本屋大賞のこれまでの歴史と現状を振り返りつつ、今後を考えます。

書店員として訴えたい、本屋での「万引き」という名の「窃盗」問題について【追記あり】

本屋が減ってきている。その原因はなんでしょうか。「本が売れない」「ネット書店や図書館がある」…理由は数あれど、規模の大小を問わず、本屋の頭を悩ませている問題であり、本屋を減らす遠因になっている『万引き』問題について取り上げます

『紋切型社会』からみた「『他者誘引型』自己完結思考」社会

はじめに あえて言おう。本書を「新進気鋭」の著者による「渾身」の評論作だと「絶賛」するつもりはまったくない。 書き手としての彼は、「社会」を自在に動き回って、ステレオタイプな表現をぶった切る。鮮やかな切り口、そしてこの切り方は「揚げ足取り」…