積読書店員のつくりかた

とある書店員が気ままに書く、本と本屋さんとそれをつなぐ人々についてのつぶやき。書店と読書とイベントな日々、ときどき趣味。

2015-06-01から1ヶ月間の記事一覧

『きみはいい子』は、降り止まない雨の日を超えて、晴れ渡る空に虹が浮かぶ。6月27日公開映画の原作をおすすめしたい

私は父が嫌いだ。いや、正確な表現で言い直そう。私は、父親が地球上で一番嫌いだ。大嫌いだ。 デカい声。無神経さ。自信過剰さ。無慈悲な行動。家族を顧みないところ。一方自分の趣味にはなにをしても許されるという態度。そのすべてを。 人は親から生まれ…

アマゾン帝国、動く。再販制崩壊への一歩? 時限再販スタートで、本の値引き販売を先導へ

Amazonと出版社による、本の値引き販売へ 深夜に興味深いニュースが流れたきたので思うところあって、「再販制」をテーマに軽く記事を書きます。タイトルの「観測気球を上げる政治記事」みたいな煽りフレーズは反省してます。 それはさておき、そもそもの再…

住野よる『君の膵臓をたべたい』彼女が教えてくれた「生きること」への問いかけ【キミスイ実写化】

実写映画化される『君の膵臓をたべたい』は「青春、恋愛、闘病」というジャンルの枠組みを超えた小説。これから読む、すでに読み終えた、感動に浸るあなたも、住野よる先生が作品に込めた「問いかけ」や意味を考えてみてほしい。この記事では5つのキーワー…

6月18日放送のアメトーク『読書芸人』 第2弾で取り上げられた本をまとめてみた

アメトーク『読書芸人』第2弾で放送された本たちをご紹介。又吉・若林・光浦の3氏によるオススメ本紹介。読書好きからの質問への答えや古書店巡りを行った後は、本屋あるあるまで取り上げる内容。放送された作品を余すところなく、まとめてみました

書店員のリアル。『書店ガール』を観ながら・読みながら考えた、本屋の仕事と苦悩と喜び。

『書店ガール』という楽しみの区切り 『書店ガール』が放送していない火曜日は火曜日じゃない!と非常に名残惜しい気持ちに駆られている本日。視聴者のみなさま、書店、版元を始めとした業界関係者のみなさま、そしてまゆゆ推しのみなさまにおかれましては、…

書店員が本を並べるということ。本を売るということ。

ちょっとした前置き 町の本屋さんの灯がまたひとつ消えようとしている。数々のフェアを打ち出して、読者に対して熱心に訴えかけていた本屋さんがなくなることは驚き共に、実に残念でなりません。 【くすみ書房から大切なお知らせ】いつも、くすみ書房をご愛…

小さな幸せに包まれた、すみれ色の『ビオレタ』を読んだ

ふと気づくと眠っていた。読み始めたころはお昼過ぎだったのに日が落ちている。時計を見ると覚えている時刻からは1時間ほどしか経っていなかった。が、それは長いこと幸せな深い眠りに落ちていたように感じられた。 書店員をしていると、時たま一心不乱に、…