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積読書店員のつくりかた

とある書店員が気ままに書く、本と本屋さんとそれをつなぐ人々についてのつぶやき。書店と読書とイベントな日々、ときどき趣味。

わが人生の「教科書」井上靖『あすなろ物語』を再読して甦る青春の記憶

誰にとっても、その「一冊」が人生を変える可能性がある。ふと手にした作品によって運命を変えられることもある。私には青春を変えた小説がある。本作も一目惚れであった。その小説とは、井上靖『あすなろ物語』。井上靖の自伝的小説と言われるが、ここで「…

宮下奈都先生への、そして新刊『羊と鋼の森』とこれまでの作品たちへの愛をこめて

拝啓、宮下奈都さま『羊と鋼の森』「人生に影響を与えた1冊」1人の少年(そして青年へと)の歩みを丹念に、かつ表現豊かに掬い上げた成長記録。ピアノという音のする世界を、羊と鋼と森に譬える魔法は心にズシリと響く。私の心に小説として以上に響くカラフ…

『きみはいい子』は、降り止まない雨の日を超えて、晴れ渡る空に虹が浮かぶ。6月27日公開映画の原作をおすすめしたい

私は父が嫌いだ。いや、正確な表現で言い直そう。私は、父親が地球上で一番嫌いだ。大嫌いだ。 デカい声。無神経さ。自信過剰さ。無慈悲な行動。家族を顧みないところ。一方自分の趣味にはなにをしても許されるという態度。そのすべてを。 人は親から生まれ…

住野よる『君の膵臓をたべたい』彼女が教えてくれた「生きること」への問いかけ【キミスイ実写化】

実写映画化される『君の膵臓をたべたい』は「青春、恋愛、闘病」というジャンルの枠組みを超えた小説。これから読む、すでに読み終えた、感動に浸るあなたも、住野よる先生が作品に込めた「問いかけ」や意味を考えてみてほしい。この記事では5つのキーワー…

小さな幸せに包まれた、すみれ色の『ビオレタ』を読んだ

ふと気づくと眠っていた。読み始めたころはお昼過ぎだったのに日が落ちている。時計を見ると覚えている時刻からは1時間ほどしか経っていなかった。が、それは長いこと幸せな深い眠りに落ちていたように感じられた。 書店員をしていると、時たま一心不乱に、…