積読書店員のつくりかた

とある書店員が気ままに書く、本と本屋さんとそれをつなぐ人々についてのつぶやき。書店と読書とイベントな日々、ときどき趣味。

又吉直樹さん出演『情熱大陸』での、又吉さんおすすめ本とご購入本をまとめてみた



「芥川賞芸人」という前代未聞の称号が誕生した先週末。

今回の受賞については、議論もあるところですが「古舘伊知郎氏が意味深な発言 又吉直樹の芥川賞受賞に違和感? - ライブドアニュース」という報道も逆に話題を集中する効果を果たしているのは間違いありません。古館氏にはいろいろ言いたいこともあるが、それはグッとこらえよう*1

さて、この又吉さんの受賞は、さらに東山彰良さん『流(りゅう)』にも波及している様相で、通常の直木賞タイトルよりも売れ行き良好なのであります。

肝心の『火花』の売れ行きは想像以上の動きを呈しております。ミリオン確定しておりますが、矢継ぎ早に重版してもなくなってしまうのではないかと思えるレベル。
(記事)「芥川賞・又吉直樹さんの「火花」、100万部突破:朝日新聞デジタル

 

ところで、ダブル受賞であるにも関わらず、「もうひとりの受賞者」と呼ばれる形となった羽田先生については、id:fujiponさんによる記事「第153回芥川賞を受賞した又吉直樹さんと、「もうひとりの受賞者」羽田圭介さんの話 - いつか電池がきれるまで」をぜひおすすめいたします。

ちなみに、発表当日に私が一番爆笑してしまったのは加藤先生がツイートしたこの羽田先生の姿なのはここだけの秘密w 無駄に完成度の高いクオリティw

想像以上と申し上げたように、需要はあるのに供給が追い付いていない現状。

そして書店での問い合わせも凄まじく、『火花』よりもおそらく「『花火』ありますか?」が多い先週末。

まえおきはこのぐらいにして、本題の『情熱大陸』をご紹介していきます。

 

情熱大陸の放送内容

情熱大陸「又吉直樹」
情熱大陸


『火花』発売から、木曜日の芥川賞発表当日までを密着した待望のドキュメントが放映されました。ダヴィンチ掲載の樹木希林さんとの対談模様や『火花』が誕生した執筆部屋の紹介も含めて、発表後の打ち上げ風景までの4か月間もの時間。

今月16日、史上初の“芥川賞芸人”が誕生した。作家としても活躍し多彩な才能を発揮する芸人・又吉直樹。今年1月に発表した文芸誌デビュー作「火花」は、掲載誌『文學界』の創刊以来初増刷、単行本は2015年上半期本ランキング・小説部門で売り上げ1位を獲得し、第153回芥川賞を受賞した。

(中略)

番組では、単行本「火花」が刊行された今年3月から芥川賞の選考会当日まで取材を行った。受賞の瞬間とそこへ向かう日々に何を思ったのか?芸人としてのジレンマは?又吉の胸中に迫る。

又吉直樹(芸人): 情熱大陸

象徴的な出来事がひとつありました。

今回の発表待機→受賞会場への移動のタクシー車中での、マネージャーさんへの出演オファーの電話。それはおそらくテレビの出演依頼だったと思いますが、受賞後の様相はさながら、各種メディアジャックですね。

メディア露出が増えるごとに、通常書籍の売り上げは比例して伸びるのが常なのでございますが、今回の受賞後の突出ぶりはデータを見てても脅威の部類です。

そして供給が追い付いていないというのは、今週末を一時品切れ状態で迎える書店さんも少なくない現実です…(そう、自店のことです……*2)。

ご購入本の一覧

おすすめ本

イタリア再訪日記 | HB編集部

↑『イタリア再訪日記(上・中・下)』はアマゾンの取り扱いはありません。直取。

ご購入本

購入本20点をリスト化しています*3

(追記の追記)熊本地震の影響で自宅が被災した状況もあり、勝手ながら2016年5月よりアソシエイトを導入させていただきましたことをご報告するとともにお詫び申し上げます。(追記)例のごとくアマゾンのリンクには、私のアフィは入っておりませんのであしからず。

 

思潮社 現代詩手帖 バックナンバー

↑『現代詩手帖 2003年4月号 ―特集:友部正人の世界』

ガニマタ博士 (1985年)

ガニマタ博士 (1985年)

 

安部慎一 悲しみの世代 - Mandarake

太宰ナイトでの題材

テレビ放映に映り込んだ書店とは

本屋B&B(東京都:下北沢)

bookandbeer.com

古書ビビビ(東京都:下北沢)

古書ビビビ

 

百年(東京都:吉祥寺)

www.100hyakunen.com

古本カフェ・フォスフォレッセンス(東京都:三鷹)

book&cafe' phosphorescence

 

『情熱大陸』見逃した!復習したい!という方のために

ダヴィンチ

上記選書アイテムはダヴィンチ特集記事の企画としてご購入された本とDVDがほとんどです。作家又吉直樹さんの成分を確認したい方は、ぜひ特集内容や、企画「いいなあ、又吉直樹と書店散歩」をチェックしてみてください。

情熱大陸で出てきた執筆部屋にある机が、B&Bさんで購入品であることも分かります(笑) 

ちなみに掲載に関しては、古書ビビビの徳川さん*4のご指摘をいただきました。ありがとうございます。

明日の又吉さんは

(「さーて、来週のサ○エさんは」みたいなノリになっていますが)ちなみに、情熱大陸から日付変わって本日スマスマのビストロに、西加奈子さんと湊かなえと共に出演されます。

最後に

『火花』の売れ行きは良好だった点も含めて、増田の『文学は死んだ』論に見られるように、人気に迎合した芥川賞という論調もあります。

しかし、文壇の評価は風向きが突然変わりますし、個人的には読書芸人と同様に、「あのピース又吉さんが書いたのは、どんな本なのか」という軽い気持ちでも良いので、小説へと手を伸ばす機会になればな。読書に親しむきっかけになればいいな。と願っております。

 

関連記事

*1:直木賞と本屋大賞の違いは、気が向けば別記事で書く。というより需要に乏しい気もするが……。

*2:まがりなりにもそれなりの規模なのだけれどなぁ(汗)

*3:本当は21点なのだが、1点どうしても私の知識では分からず、お蔵入り……

*4:本誌では本名馬場さんとしてお顔もご掲載